江戸時代を語る人骨1万体、栄養失調や伝染病が多く小柄だった

<江戸を語る人骨1万体 小柄な体・栄養失調・伝染病>

東京都内の開発で掘り出された人骨を、国立科学博物館(科博)が大量に保管している。ざっと1万人分。江戸時代の骨がほとんどで、今よりも小柄で栄養状態も悪かった。時代劇のイメージとは違う江戸の人々の厳しい暮らしぶりが、浮かび上がってくる。

「この頭の骨は左の側面に鋭い刃物の傷が2本。日本刀で斬り殺されたのでしょうね」「青黒いシミがついたこちらの骨は、梅毒の痕跡ですよ」新宿区百人町の科博新宿分館。人骨がびっしり並ぶ人類研究部の収蔵庫で、人類史研究グループ長の篠田謙一さんが説明する。

研究用に科博は20年ほど前から、開発業者などが持ち込む江戸時代の人骨を受け入れてきた。
分館は来春までに茨城県つくば市に移転する予定で、荷造りを前に人骨の分類やクリーニングが続く。

骨は江戸の人々の暮らしぶりを伝えている。栄養状態が悪く、特に鉄分が不足していた。現代なら死亡率
の低い若い世代の骨が多いのも特徴で、伝染病がたびたび流行し、人が簡単に死んだことを物語るという。

江戸時代の成人の平均身長は男性が150センチ台半ばで、女性はそれよりも10センチほど低い。
日本のすべての時代の中で最も小柄だった。栄養状態が悪いうえに狭い長屋などに密集して生活した
ストレスの影響と考えられるという。「生活は厳しかった。スラムといった方がいい江戸の影の部分が
骨には記録されています」と篠田さん。

http://www.asahi.com/national/update/1217/TKY201112170155.html

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